Research

研究内容

 極低温環境で物質中の熱ゆらぎを抑制すると一般的に量子効果(量子ゆらぎ)が顕著に現れるようになります. また, 外部パラメータとしての「磁場」や「圧力」によっても, この量子ゆらぎを増強することが可能です.

 例えば, 磁場や圧力等によって物質の磁気秩序が絶対零度まで抑制される場合, その点は量子臨界点と呼ばれ, その近傍では様々な物理量に特異性が現れる「量子臨界現象」が起きます. 量子臨界現象は超伝導や量子スピン液体といった, よりエキゾチックな量子現象とも関連することが知られています.

 私達のグループでは複合的な極限環境下(極低温、高磁場、高圧力等)での物性測定を通して, このような強い量子ゆらぎに起因する新奇な量子現象の解明を目指しています. そのために、既存の測定手法の高感度化, オリジナルな測定手法の開発にも挑戦しています.

 当研究室は2025年4月に発足した新しい研究室であり, まだ0.1 K以下の極低温環境での測定設備の整備には至っていませんが, 2 Kから室温の低温環境下での測定を行える装置を活用しつつ, まずは極限環境下測定の実現を一歩ずつ目指していきます.

余談~研究室ロゴ

量子臨界現象の相図を文字通り研究室の「顔」にしました. まゆげがクロスオーバーを, 目玉の向きが相転移を, 口が量子臨界点を表現しています.

研究成果